「美結先輩、俺、美結先輩が好きです。」



 

耳元で言った五月くんの声は、真面目で、それでいてとても官能的だった。





「元彼のこと、すぐに忘れろなんて言いません。ってか、言えません。先輩は、すぐに忘れられるような浅い恋愛ができる、器用な人じゃないですから。」






気配で、五月くんが微笑んだのがわかる。




「ただ、一人でいられない時は、俺に頼って下さい。俺は先輩より年下で後輩で頼りないかもしれない。だけど、先輩のこと、一番に考えてますから。」