「アーッハッハッハ。美晴ちゃん面白い。確かにそうね。男の人は女の人よりもガキだし。悠貴より美晴ちゃんの方が年上みたいよね。でも、美晴ちゃんだけよね。悠貴の会社での姿を知っているのも、今みたいにガキなところも両方知ってるの」




それでも悠貴がいい?コソッと耳打ち。お父さんをチラリと見るともう視線はテレビに釘付け。


お父さん、冴子さんに話したな。


でも、冴子さんも嘘だと分かっても自分の再婚より結婚を優先してくれているんだ。



「・・・はい。最初は仕事で怒鳴られることが多くてどちらかというと苦手でした。だけど知らなかった部分をたくさん見て・・・好きになりました」




テレビの音にかき消されるくらい小さな声で、でもちゃんと冴子さんには聞こえるようにあたしの気持ちを伝えた。


今はまだ家族ではないけれどいつかはこの空間にちゃんと『家族』という名前がつけられるように。