「大丈夫か?泣くほどなんだな。偏頭痛って辛いな。なんか俺にできることある?」
課長は私が偏頭痛で泣いていると思ってるみたいだった。だから、ソファに座らせてくれて、ペットボトルの水を開けてくれて飲ませてもくれた。それなのに、これ以上甘えてもいいの?
「頼ってくれていいよ。今は俺しかいないんだから」
「・・・手を握ってもらっていいですか?」
痛みのせいにしよう。素直に甘えたくなる言葉をポツリと呟いた。その言葉に課長は、頭を自分の肩に乗せてくれて、ぎゅっと手を握ってくれた。
課長、そんなに優しくしてくれるのはどうしてですか?期待したくなります。冴子さんのためにじゃなくて、私のためだって。私を好きだから優しくしてくれているんだって。
「大丈夫か?これで楽になるならずっと手、握ってるから」
魔法の言葉で痛みと共にもう一度、私は夢の世界に誘われて行った。