「美晴、どうした?食べないのか?」
さっきまでの私とお父さんが逆転。私は一気に食欲を失った。そりゃ、お父さんのことなんだし、私がこんなにもショックを受けるのはおかしいことかもしれない。
だけど、私はお母さんが亡くなったときのお父さんの姿を今でも鮮明に覚えている。人前では見せなかったけれど、夜中にお母さんの名前を呼びながら、写真の前で泣き崩れていた。
その姿を見たときにお父さんは、本当に心の底からお母さんだけを愛していたんだなって思った。二人は、私の理想の夫婦。
娘である私の前でも、お互いがお互いを思う気持ちが溢れていた。病気で入退院を繰り返していたお母さんを支えていたお父さん。そんなお父さんは私から見てもヒーローだった。そして、二人は周りから見ても羨ましがられるくらいの夫婦だった。
その当時、私にも付き合っていた人がいた。私もいつか二人のような夫婦に、この人となれたらいいな。そんな憧れを抱くくらい娘から見ても理想の夫婦。
だから、お父さんがモテて言い寄られても、決して首を縦に振らないのはお母さん以外の人を考えられないからだって思っていた。
それなのに、その言い方が許せない。私はずっと、一途なお父さんを尊敬していたのに、今まで再婚しなかったのは私のためだと言われてるみたいで。あんなに憧れていたものが幻だったかのように言われたみたいに思えて、裏切られた気分だ。
「・・・お父さん、お母さんのこと愛してたよね?なんで急に再婚なんて言うの?」
こんなこと、聞くまでもないと思っていたのに、疑心暗鬼にならざるを得ない。私の言葉に、トンカツを頬張っていたお父さんがトンと箸を置いた。
さっきまでの私とお父さんが逆転。私は一気に食欲を失った。そりゃ、お父さんのことなんだし、私がこんなにもショックを受けるのはおかしいことかもしれない。
だけど、私はお母さんが亡くなったときのお父さんの姿を今でも鮮明に覚えている。人前では見せなかったけれど、夜中にお母さんの名前を呼びながら、写真の前で泣き崩れていた。
その姿を見たときにお父さんは、本当に心の底からお母さんだけを愛していたんだなって思った。二人は、私の理想の夫婦。
娘である私の前でも、お互いがお互いを思う気持ちが溢れていた。病気で入退院を繰り返していたお母さんを支えていたお父さん。そんなお父さんは私から見てもヒーローだった。そして、二人は周りから見ても羨ましがられるくらいの夫婦だった。
その当時、私にも付き合っていた人がいた。私もいつか二人のような夫婦に、この人となれたらいいな。そんな憧れを抱くくらい娘から見ても理想の夫婦。
だから、お父さんがモテて言い寄られても、決して首を縦に振らないのはお母さん以外の人を考えられないからだって思っていた。
それなのに、その言い方が許せない。私はずっと、一途なお父さんを尊敬していたのに、今まで再婚しなかったのは私のためだと言われてるみたいで。あんなに憧れていたものが幻だったかのように言われたみたいに思えて、裏切られた気分だ。
「・・・お父さん、お母さんのこと愛してたよね?なんで急に再婚なんて言うの?」
こんなこと、聞くまでもないと思っていたのに、疑心暗鬼にならざるを得ない。私の言葉に、トンカツを頬張っていたお父さんがトンと箸を置いた。