うまく伝えられない。でも、反対はしてないということだけはわかってほしい。

「わがままな娘でごめん。お父さん。私、二人の再婚に反対じゃないけど、きっとお父さんを苦しめると思う」

「美晴、お父さんにわがままじゃなくてどうするんだ?お父さんは美晴のわがままを叶えてあげるもんだろ?わかった。ほらっ、そんな目を真っ赤にしてたら悠貴くんも心配するよ」


溢れてくる涙を腕でゴシゴシと拭っているとポンポンとまたお父さんが頭を撫でてくれた。


『大丈夫、お父さんはいつだって美晴の味方だよ』


私が泣いているときは、いつも抱きしめてそう言って頭を撫でてくれた。だから私は何でもお父さんにだけは相談出来た。反抗期もなく、ずっとずっとお父さんが好きだったのはお父さんがお母さんの代わりを務めてくれたから。


「お父さん。今まで二人分、私を愛してくれて本当にありがとう」



「美晴、これだけは忘れないでほしい。お父さんはいつだって美晴の幸せを願ってる。これがお父さんの気持ちだよ。美晴はお父さんの宝物だ。だから結局、何を言ってもお父さんは美晴の味方なんだよ」



お父さんの気持ちが嬉しくて思わず抱きついて朝だというのに泣きわめいた。そんな私をお父さんは抱きしめて優しく頭を撫でてくれた。お父さん、お父さん。



やっぱりお父さんのことが好きだよ。
お父さんの娘で良かった。