「義兄妹にならない方法?」


「ああ。わかるか?俺たちが冴子たちよりも先に結婚すること。そうすれば、美晴は透さんの籍から抜けて、俺の戸籍に入る。だから義兄妹にはならない」


そうか。私たちが先に結婚してしまえば、義兄妹になることもない。確かにややこしい関係に変わりはないけれど、義兄妹という関係にはならないのかもしれない。

でも、お父さんと冴子さんは年内に籍を入れたいと言っていた。それよりも早く、私たちが結婚。


「もちろん、俺たちはまだ付き合ったと言っても日は浅い。しかも始まりは俺が仕掛けた嘘恋から。だから、結婚なんてまだ早い。そう思って当然だと思う。でも、俺は美晴が妹になるくらいなら先に、妻にしたいと思ってる」


頭がパンクしそう。諦めなくてはいけないと思っていたこの恋は、成就するだけじゃなく、義兄妹にもならなくていいなんて。


夫婦か。お父さんとお母さんのような二人になれるかな。でも、結婚するなら課長としたい。義兄妹になんてなりたくない。


「私も、妹になるよりは、妻になりたいです」


義兄妹でも、結婚はできる。その真実だけでも十分、私の心は軽くなった。


だけど、義兄妹にならなくても全員が幸せになれるのなら、私は課長と義兄妹になんてならず、夫婦になりたい。