「でも、たとえ反対していた理由を勘違いしていたとしても、二人が再婚をすることで私たちが兄妹になるのは変わらないから」

そう、たとえ勘違いをしていたとしても、結果は同じ。二人の再婚を最初のように駄々をこねて反対する資格なんて私にはない。思い合う二人を自分のわがままで引き離すなんてしてはいけない。

「そう。じゃあとっておきの情報を教える必要もないわね。あんたは勝手に自分の気持ちに蓋をして、ウジウジしてなさいよ」

「なんか、琴美、今日言い方きついね」

「きつくもなるでしょ。勝手に悲劇のヒロインになってるだけなんだから。でもね、その態度がお父さんや課長のお母さん、課長までもを傷つけてるの。美晴、私はみんなが幸せになる方法を知ってる。でも、今のあんたには教えられない」

琴美はそう言った後、残っていたパスタを黙々と食べ勧めた。どうして、こんなに琴美が怒っているのかわからない私は、目の前の琴美に声を掛けるも返事が返ってくることはなかった。


結局、お父さんの結果は一週間ほどかかるらしい。琴美とも気まずくなってしまったし、家でもどこかぎこちなくなってしまう。


それでも、お父さんと顔を合わせてもできるだけ笑顔は絶やさないようにしていた。