冴子さんから課長と静佳さんのことについて聞かされた日からずっと私の中で芽生えていた思いがあった。


それは静佳さんの気持ちを聞きたいということ。



【冴子さん、あたしお願いがあるんです。どうしても静佳さんの気持ちが聞きたい。会わせてもらえませんか？】



その気持ちはどうしても止めることが出来なくて、とうとう冴子さんにそんなメールを送ってしまった。でも、返事はない。課長とはすれ違いの日々。



商品開発部は経理課とは違い、残業の毎日。当然、課長と帰ることもボクシングに同行することもできない。朝も課長よりも早く出勤する。


今までとは違う新しい毎日。



課長に会わない日々が続けば思いは募る。そして聞かされた過去。きっと課長はあたしがそれを知ったことは知らないはず。だから休みの日に誘ってくるんだ。


おばちゃん家に行かないか？や夜だけでも会えないか？と。冴子さんは頻繁に来ているのだからうちに来ればいいのにそれは遠慮する課長。