あの子の幸せが私の幸せだもの。そう言った冴子さんは本当に課長を大切に思っているとわかるくらい母親の顔をしていた。



その理不尽な理由、到底誰が聞いてもおかしい。あたしだって片親だけどお父さんと二人で楽しく幸せな日々を過ごしてきた。お父さんと二人でも恥じないような暮らしをしてきた。


課長だってそうに決まってる。冴子さんを大切に思っていて、二人でもきっと幸せな日々を過ごしてきたんだ。静佳さんだってそれくらい分かってたはず。



それなのにどうして課長の肩を持ってくれないの?もっと結婚の意志を伝えなきゃ想い合う2人の幸せがそんなどうすることもできない理由で壊されるなんて・・・。




「でも悠貴はね、そこでもう自ら結婚のピリオドを打ったの。母が大切なので申し訳ありませんが、婿養子になることはできませんってね。そこで私は何度も何度も悠貴に尋ねた。私のことは気にしなくていいからあなたの幸せを選びなさい。私はどっちを選んでもあなたのことを応援するからって」