「本当に申し訳ありません。実は本家の人間に静佳の結婚の話を持ちかけたところ・・・片親の人間との結婚を認めることはできないと言われました。何度も彼の父親は病気で亡くなったと話したのですが、聞き入れてもらえませんでした」




頭を下げたまま静佳さんの父親はそう告げたと言う。親戚の言うことなんて気にしなければいい。本家だか、分家だか知らないけれどどうしてうちの子がこんな差別を受けなくちゃいけないの?


冴子さんはその時の心情もしっかりとあたしに伝えてくれた。




「ということはうちの悠貴と静佳さんはその本家さんが言うから結婚できないのですか?それはおかしくないですか?当人同士が思い合って結婚をしたいと式場まで決めたというのに、それを今更なんて。うちの子が何をしたの?片親でも立派に育ててきました!」




あまりにも理不尽な理由に納得なんでできるはずもない。それに自分の息子を侮辱されたかのようで怒りが止まらなかった。親戚に反対されたからと言って結婚を保留にさせるような家と結婚なんてさせたくない。


そういう気持ちにもなったわ、時折冴子さんは涙組みながら話してくれた。