「お父さん!この人は私の彼氏のお母さんなの。だから、私、彼と兄妹にはなりたくない。私が結婚したいの!!」
ヤバい。そう思ったのも後の祭り。挙げ句、彼氏とまで言ってしまった。当然、相手の顔も反応も恐ろしくて見られない。
恐る恐る、お父さんの顔だけ見ると、驚愕している。そうだよね。再婚相手の息子と付き合ってる、結婚したいなんてびっくりどころか、頭が真っ白になるはず。
相手の人も何も言わないってことは、呆れて物が言えないのかも。頭で考えることは簡単だったのにいざ、実行してみるととんでもない事を口走ったことに気がついた。
「あ、あの・・・」
すみません、嘘でした。そう言いかけた私より口を開いたのは、相手の女性だった。
「・・・悠貴、本当なの?今の話」
澄んだ綺麗な女性の声が耳に入る。それでも、まだ俯いた顔は上げられない。悠貴と言われた息子は、当然怒るに決まってる。それに、こんな嘘つき女の父親と自分の母親を再婚なんてさせたくないはず。
あれだけ再婚をさせたくないと望んでいたのに、いざ、本当にそうなってしまうと考えると、お父さんの幸せを自分勝手な理由で壊せない。
「あの、す、すみま・・・」
「・・・ああ、本当だ。俺は、佐伯美晴と結婚したいと思っているよ、冴子」
謝ろうとしたところを遮ったのは、聞いたことがある声。いや、聞き慣れた声。まさかと、ゆっくりと顔を上げると、ミントグリーンのスーツに身を包んだ女性の横で、鬼上司の時田悠貴課長が真っ直ぐに私を見つめていた。
ヤバい。そう思ったのも後の祭り。挙げ句、彼氏とまで言ってしまった。当然、相手の顔も反応も恐ろしくて見られない。
恐る恐る、お父さんの顔だけ見ると、驚愕している。そうだよね。再婚相手の息子と付き合ってる、結婚したいなんてびっくりどころか、頭が真っ白になるはず。
相手の人も何も言わないってことは、呆れて物が言えないのかも。頭で考えることは簡単だったのにいざ、実行してみるととんでもない事を口走ったことに気がついた。
「あ、あの・・・」
すみません、嘘でした。そう言いかけた私より口を開いたのは、相手の女性だった。
「・・・悠貴、本当なの?今の話」
澄んだ綺麗な女性の声が耳に入る。それでも、まだ俯いた顔は上げられない。悠貴と言われた息子は、当然怒るに決まってる。それに、こんな嘘つき女の父親と自分の母親を再婚なんてさせたくないはず。
あれだけ再婚をさせたくないと望んでいたのに、いざ、本当にそうなってしまうと考えると、お父さんの幸せを自分勝手な理由で壊せない。
「あの、す、すみま・・・」
「・・・ああ、本当だ。俺は、佐伯美晴と結婚したいと思っているよ、冴子」
謝ろうとしたところを遮ったのは、聞いたことがある声。いや、聞き慣れた声。まさかと、ゆっくりと顔を上げると、ミントグリーンのスーツに身を包んだ女性の横で、鬼上司の時田悠貴課長が真っ直ぐに私を見つめていた。