入学式も、ホームルームも終わり、下校の時間…。

美紗はまだ、会長の事で頭がいっぱい。


「マジかっこよかった!
あのクールな雰囲気最高!」


『あはっ。
美紗興奮し過ぎっ!
けど、確かにいいよねー』


「マジで惚れるー!
あ、あたし約束有るから!
萌、また明日ね!」


急いで走りだす美紗を、笑顔で見送った。

過去の経験から、もう不良は懲り懲りだった。

もしもう一度、恋をするならー…。
信用出来て、冷静で。
あたしを、包み込んでくれるような人がいい。


「ねーねっ!
愛内…萌ちゃん?」


『…へ?
あ、そう…ですけど?』


目の前に現われたのは、金髪の男。

派手な外見と、きつい香水。
私の、嫌いなタイプ。


「メアド教えてよー?」なんて。
近寄って、あたしの髪を触る。


『えー…。
ごめんなさい、急いでるんで』