「…え?
もーえ?
大丈夫ー?」


『えっ?
あ、美紗…』


震える手をギュっと押さえて、無理に笑った。

大丈夫、大丈夫。
似てても、あいつじゃないんだからー…。


『ねぇ、か、翔…って?
有名、なの?』


「あたし、同中でさ?
その頃から、モテモテ。
ファンクラブとかも合って、セフレ希望とか?
ヤバかったよ」


美紗の話を聞きながら、そいつを見た。

大丈夫。
あたしは、変わったの。

あいつでも、落とせる。
この顔と性格が…有るんだから。


「えっ、もしかして?
萌、翔に興味あり!?」


『んなわけないでしょ!』


そうは言うものの、気になってるのは確かな事で。

チラチラと、目で追う自分が嫌だった。


好きになったら、ダメ。

恋なんかしないって。
決めたばかりでしょ?

あんな辛い思い、二度としない。
あいつとは、関わりたくないー…。