メイクが濃くて、派手な服装。

髪だって、金に近い茶色でふわふわ。

こういう系統の友達は初めてだったけど、美紗の人なつっこい笑顔に負けた。


『いいよっ!
あたしも、萌って呼んで?』


「やーった!
あたし、萌が教室入って来た時から友達なりたかったのー」


そう言いながら微笑む美紗に、『どうして?』と尋ねた。

…理由は、分かってますけど?

もちろん、わざと聞いたの。


「だって萌、すっごく可愛いし!」


『えーっ!?
ありえないしっ』


首を振りながら、否定するフリをする。

可愛いなんて、当たり前。
憧れなんて、当たり前。

だってあたし、愛内萌の容姿はー…。

くりっくりの大きな茶色の瞳。
栗色の、ふわふわに巻かれた綺麗な髪。
高い鼻、ぷっくりと綺麗な唇。

スタイルだって、抜群。
短いスカートから見えた長く、細い脚。
腕も、肩幅も細くて。

完璧な、女の子の憧れー…。


「萌、マジ可愛いよっ!?」


『あはっ。
美紗、お世辞上手ーっ!』


そう言いながら、ニッコリと微笑んだ。

笑顔と涙は、あたしの最強の武器。