バンっと響く大きな音に、大和も女も驚いた。

自分自身、無意識な行動だったから驚いた。


「か、翔?
どうしたのー…?」


「うるせぇよ。
あいつはおまえらみたいな女と違うんだよ」


「え?
な、何言ってー…」


女が、少し赤い瞳で俺を見上げた。
そんな女を、俺は見下すように見つめる。

ウザいんだよ…。


「あいつはおまえみたいな軽い女じゃねぇっていう事!
何も知らねぇのに、勝手な事言うな…」


「えっ、翔ごめん!
待って…」


女の声を無視して、俺は部屋から出た。

勢い良くドアを閉めると、女の啜り泣く声が聞こえた。


「うぜぇー…」


そう呟いて、俺はトイレへ向かった。

ここであいつに会えて良かったと、今でも思う。

もし会わなかったら…。
そう考えると、怖くなる。