ありえねぇ。

今までと違う性格に、俺は戸惑っていた。
他の女とは、違う。

そんなあいつに、何だかイライラする。


「萌、ちゃん?」


『あ、何ー?』


男に、ニコニコと笑顔で微笑む。
何でそんな顔、してんだよ?

「かーけーる!」

愛内を見ていると、目の前にある奴が現われた。

真っ黒な髪、大きい瞳…。
俺と正反対の顔をしているこいつは、親友の大和。


「翔、今日はカラオケ行かねぇ?」


「んー?
まあ、いいけど」


カラオケボックスは、俺達の合コンの場所だ。
特定の女なんか要らない俺達は、よく行くんだ。

適当な、軽い女を探しに…。


「ってか!
愛内萌ちゃん…?
可愛いよなーっ」


「あ、あいつ?」


「昨日、ペン落としたら拾ってくれて!
笑顔がマジ可愛いー…っ」

そう言ってニヤニヤと、大和は笑った。

愛内がたまたまこっちを向いて、大和が手を振る。

ニコリと、あいつは綺麗に微笑んだ。