幼い頃から、あたしは必要とされなかった。

母親は、常に違う男を連れていたから。
あたしの存在が、邪魔だったんだ。

元から可愛くなかったあたしは、余計にそうだった。

低い身長、小太り。
一重瞼の細い目に、決して高くはない鼻。

性格だって、至って普通。
勉強や運動も、並程度。


そんな私の事を、必要としてくれる人が居た。
好きだと、甘く囁いてくれる人が居た。

私にとって、それは初恋だった。


舞い上がって、浮かれて。
今振り返ればバカみたい。


あの頃の醜いあたしなんか、愛してくれる人が居るはずなかったんだ。


悔しかった。
騙されてた事、ナメられてた事。

だから、あたしは変わろうとしたの。
遠くの高校を受験して、違う人生を送ろうと決めた。


努力して手に入れた、可愛い顔と綺麗なスタイルで。

いつも中心に居る、人気の女の子になると決意した。



あたしは、小悪魔になるんだ。