あたしは何も持たずに、家を飛び出した。

怖かった。
過去に戻ってしまいそうで。
家に一人で居るのが…。

孤独な事が、怖かったー…。


『…っふ。
ひっ…く。
寂しいー…』


「あれー?
どうしたの?
俺が慰めてやろうかー?」


後ろから聞こえてきたのは、軽そうな男の声。

『結構です』と、消えそうな声で呟いた。
涙を拭いながら、無視して歩きだす…。


「ちょっと待ってよー」


ガシっと腕を掴まれて、草むらへ引っ張られる。

抵抗する余裕なんか、無かった。
男が三人も居たから…。


『ちょっ!
離してよ…っ』


「嬉しそうにしてんじゃん!」


気持ち悪かった。
男に、触られる事が…。

あの人に触られた事、思い出す…。


『ー…っ!』


怖い。
誰か、誰かー…!

目の前に居る男が、あたしのスカートに手を入れた時だった。

鈍い音が、後ろから聞こえた。