『嫌ぁっ!』


ハァハァと荒い息遣いをしながら、目を覚ました。

真っ白の枕に、たくさんの涙の跡。
頬を伝うのは、一粒の涙ー…。


『バッカみたい。
何、泣いてんの…っ。
過去の事、でしょう?』


こんな時は、すぐに鏡の前に立つ。
自分の容姿を見て、安心するの。

今は、あの時の姿じゃない。
スタイルだって、こんなに良くなった。
顔も、クリクリの大きな瞳…。


『…っえ?』


でも、今日は違った。

鏡に映ったのは、あの頃の…。
大嫌いな、冴えないあたし…。


『…っ!』


怖くて仕方なくて、自分が映ってる鏡にタオルを投げた。

そしてそのまま、リビングに迎う…。


『今は、昔と違う…』


そうだ、過去とは違う。

可愛くなったんでしょう?
誰もが見惚れるような、そんな女の子になったんでしょう?


『弱い自分、大嫌い…』