浜辺に座って、修也とゆっくりしていた

波の音を聴いていると心地よくなってきて
この世を去るのが惜しくなってしまう

でも、決めたんだ

私はこの海で死ぬんだって

お母さんに悪いことしちゃうなぁ

でも、お母さんに介護してもらうのも嫌だ

負担になりたくない

それに…修也に幸せになってもらうためにも

せっかくプロポーズしてくれたけど、それは違う人のためにとっておいて欲しい

私なんかにはもったいないよ

「………修也…ごめんね…ありがとう…」

「聖?急にどうした?」

「…さよなら」

「聖っ⁉︎」

私は走り出した

少し遠くにある崖に向かって

修也が追いかけてきているのがわかる

病気の進行が進んでいるせいか、思うように走れない

でも、走らなきゃ

修也に追いつかれる前に


しかし、崖を目の前にして修也に捕まってしまった