高校卒業直前の2月、
大学進学という進路が決まった成は由乃に今後のバンド活動はどうするのか聞いていた。

「由乃君はどうするの?SSは続けていくつもりなの?」
それは彼女の素朴な疑問だった。

「うん…そのことなんだけど、他の3人も続けたいと思ってるみたいだし、続けていくつもりだよ。」
由乃はやさしく答えた。
それをきいた成の表情はぱっと明るくなり、ほっとしたようだった。

「良かったー!
もう由乃君の曲きけなくなっちゃうかと思ってたから…
これからも聴きにいけるんだね。応援してる。」

「ありがとう。ライブ日程決まったら、またメールするよ。」
「うん!絶対いくから!
なんたって私はSSのファン一号だもんね!」
彼女は自慢げにそういって去っていった。