ひかりは家に着き机の上に置いてある愛用の銀のフルートを急いで組み立てておう急ぎで湖に戻った。

ひかりが湖に着いたとき、少年はフルートを抱きしめながら月を見ていた。

「ハァハァハァッ」

「ごめんね遅くなったわ!」
「アハハッ」
ひかりは顔を桜色に染めて少し汗ばんで笑ってごまかしてた。

少年は振り返りニコッと笑った。

「大丈夫だよ」

「綺麗なフルートだね!」
少年はひかりのフルートを見て微笑んでいる。

「あっ、これ、私中学生の時、吹奏楽部にいたから」


ひかりは何を吹こうか少年に聞いてみた。

「そうそう、何を吹こうっか?」

少年は答えた。

「アメイジング・グレイス」

「うん、いいよ」

「じゃあ、いくよ。」



「せーの!」



二人の演奏は、まるで月の雫がトロリと落ちて湖が宝石でキラキラとしている。そんな甘く澄みきった演奏でした。