「……え…」 幻覚かと、思った。 まばたきをして、もう一度確かめる。 「なんで?」 入ってすぐの木の下で、ユウキが待っていた。 いつもそこで待ってくれてたみたいに。 「ユウキ…?」 優しく微笑むその表情に、胸が熱くなる。 トクン… トクン… 「アンタもゆうき?」 笑って、そう言ったユウキ。 あの頃と何も変わらない。 何も。 あたし――