コンコン―


「助けが行っちゃうよ」


「もう、いい」


悔しくて泣きそう。

突き飛ばして逃げることが、どうして出来なかったんだろう。

あたし、変だった。


「彩って可愛いね」


微笑んだ天使はおでこに軽いキスをした。


「誰にも言わない。秘密だね」


首をかしげて、身勝手なことを言うと部屋を後にした。


「……ばかぁぁぁ!!!」


何が秘密だっ。

あたしの初を返せっ!!