待っても待っても、達也は帰ってこない。

あーもうっ。

どうしてよっ。


「葉月、どないしたんや」


みっちゃんがキッチンから顔を出す。


「ううん。別に」


「達也と喧嘩でもしたん?」


「してない。してないよ」


「ほな大丈夫やって。ほら、これでも食べて」


置かれたおもちゃのケーキ。


「みっちゃんっ!!」


「あははっ」


こだわったって、仕方ないよね。

キスしてたって、してなくたって、達也は達也じゃんか。


「そうだよね」