「あ。俺が呼び止めて~ん。さっさと出ていこうとかしとったし。そんなんみっちゃん許さんし」


あはは、とみっちゃんが笑う。

男は完全に引いている。


「みっちゃん、人にはそれぞれ…」


「あかん。朝は食うの」


「そうですか…」


みっちゃんの朝食へのこだわりは尋常ではなかった。

おかげで謎の隣人と顔を合わせてハムエッグを食べている。


「名前、なんてゆうん?」


みっちゃんが尋ねると、


「……スグル」


そう答えた。