「帰るぞ」


そう言って無言で手を引くユウキに、また胸が高鳴った。

不安が生まれるのは、きっと、

ユウキのことが好きだから。

そうだよね?


「夕貴」


ふいに振り返ると、真剣な顔であたしを見た。


「結婚しよ」


照れくさそうにそう言ったユウキ。


「……」


「返事は?」


「は…い」


「よしっ」



ねえ、ユウキ。

これ以上の幸せ者はきっといない。

そう思ったの。