「かえちゃんが大好きだよ。


だけどね、遙さんを諦めきれてない自分もいるんだ。


だから今日、デートをセッティングしたんだ」






「…」






ペラペラ話す栗田くんの顔は、お化け屋敷の中だと暗すぎてよく分からなかった。






「俺、もう今日で遙さんを吹っ切るから…!


本気で好きだったから、諦めるのも難しいんだ…。


ゴメン、今日これっきりでかえちゃんに専念するから!」






「…分かった」






そう答えるしかないでしょ?






だって薄暗いお化け屋敷の中だけど、栗田くんの目はとても真剣そうで、

私の顔をとらえて逃がさないんだから。






多分、本音だと思う。





楓のことが好きならば、私は協力したい…。