「やっとらむに触れられる。
16年俺よく我慢したよな、ほんと」
恋人とはいいものだな。
俺はらむ以外に
何人かと恋人になったことがある。
だけど、全部らむの代わりだったな
手を繋ぐ時だって、抱き合う時も
キスする時も、身体を重ねた時も
らむだと思って心を
満たしていた。
それでも心はポッカリ穴があった。
俺を愛してくれた
彼女らへの罪悪感と、
らむじゃないという事実。
けどこれはらむ。
もう偽らなくてもいい。
らむだから。
この肌の温もりも匂いも
感触も本当のらむだから。
痛いほど愛しくて。
愛はこうゆうものだと
改めて知ったんだ。