「もしらむが俺の
気持ちに答えてくれないなら
俺はらむの事を忘れる。
恋愛感情としてじゃないからな、
”らむ”を忘れる。
それで他の女と恋をする。」


言葉が止まらなかった。

まだまだまだまだ。

待てなかった。

どんどん どんどん

らむを追い詰めた。


「だめっ、やだよ」


止まらなくなる。


「…んっ。ほら。
ならさキスしろよ、
今しなきゃ他の女と俺が
することになる」


待てない。

なあ、らむ

他の女に取られたくないって

いえよ。

らむ。

してよ、キス。

「……やだよっ。
けどねできないよ、私にはっ。
だって私たち兄妹なんだか___ 」


俺は言葉をさえぎった。

1番嫌いな言葉。


「その言葉聞き飽きた。
嫌いなんだよ、その言葉。
なあ、どうすんの⁇
俺と”他人”になるか”恋人”になるか。」


そう言った瞬間

俺の唇に震えていて

柔らかいものを感じれた。


「…んっ。ちゅ…っ、く」


キス、してくれた。


らむが。

きっとらむは

俺が初めてなのだろう。

不気味で下手で。

それがとても愛しく感じて。

らむが産まれて16年。

俺はその日から

今日という日を望んでいた。

夢じゃないかって疑っている。

もし夢なら嫌だ。

そして俺は気づいたら泣いていた。

初めてだった

こんなに笑顔を溢れさせながら

涙も溢れさせていたのは。