『あんたらに笹野さん責める資格あるわけ!?あんたたちだって私をのけ者にしたじゃない!私が犯人だって決めつけてた奴らに、笹野さんとやかく言う資格ない!』



「川瀬さん…」



シーンと静まり返る会場に、小さな笹野の声だけが響いた。



『私は、笹野さんに嫌がらせされたけど彼女のこと嫌いじゃないよ。だって、笹野さんとはしっかり向き合ったから。笹野さんがなにを考えてたかわかったから!』


笹野の目から涙が溢れたのを、俺は気づかないふりした。



泣いてるからって、俺はこいつに優しくできないしな。



『それに比べてあんたらは何!?笹野さんの気持ちに気づくでもなく、私を信じるでもなく。犯人が笹野さんってわかったら手のひら返し!?空気に飲まれてんじゃねえよ!』




会場全体が川瀬を見てる。


こんな状態なのに、すこし嫉妬してる俺。



川瀬がこんなにがんばってんのに情けねえ




『笹野さん。あなたが悪くてあなたの居場所がないわけじゃない。ここはあなたが居場所を作る場所じゃなかっだけ。いつかちゃんと、あなたの居場所が自然にできるわ。…ってゆーか』




そこまで言うと川瀬は、笹野に近づいて手をとった。



『私があなたの居場所になってあげる』