~優也side~

初めて小蔵茶子と会ったのはつい最近
茶子ちゃんって親しく呼ばせてもらっている
茶子ちゃんと会った場所はとある小さな神社
彼女は俺のことを知らなかったみたいだけど、
俺は1年も前から知っている
高校1年生になって3日目の帰りだった
俺は新しくできた友達と別れを告げ、駅に向かって歩いていた
するといきなり猫が俺の前を横切った
「うわっ!あぶねー!」
と言いながら後ろにのけぞって尻餅をついてしまった
猫はというと反対側の歩道に行きたいらしい
しかし、あともう少しで渡りきろうとしたとき
マンホールの穴に足が入ってしまっていた
どうにか頑張って足が抜けた
が、そこには1台のトラックがこちらに向かってきた
ブレーキを踏まないということは、猫に気づいていない
同時にこのままでは猫が轢かれてしまう!
そう瞬時に考え立ち上がったが、足がすくんだ
もう、間に合わない
猫、助けてやれなくてごめんな
どうか怪我で済んでくれ
轢かれているところが見たくなくて、目をギュッと結んだ
「猫ちゃーん!!」
という声が耳に入ってきたのはその時だ