「俺は…椿をずっと見てきたわけじゃないから、わからねえことだってあるよ?でも、誰よりも近くで一番長く傍にいる、一番お前のことを知っているつもりだ。」
「…何も知らないくせに。」
「は?今の話聞いて…」
「じゃあ、今あたしの好きな食べ物分かる?好きな場所は?好きな動物は?好きな音楽は?」
「椿…」
椿ちゃんの言葉は
波のように押しかける
「好きな教科は?好きなTV番組は?好きなタレントは?好きな本は?」
「椿!!」
「…好きな人は?」
最後の質問だけ
泣きそうな弱々しい声だった
「今の椿のことは正直、なんも知らねえよ。けど…」
「じゃあ、優也はあたしの何を知っているの?」