「ああっ...。!」
陸、スピード速くなった?
トップに追い付きそう...。
!!!!!
陸、陸、陸 !
すごいよ。
おめでとう。
。
陸は、ゴールギリギリで相手チームを抜かして
トップでゴール。
おかげで、私たちの団は、優勝。
みんな、涙を流している。
うれし泣きも、悔し泣きも。
...そんな、体育祭だった。
一つの戦いが終わり、次は、私の番だ。
陸。
。
あの後、私は聞いた。
陸が、足を捻挫したらしい。
原因は、足をひねったまま、走ったかららしい。
「馬鹿...。」
なんていいながらも、私はものすごくうれしかった。
ただ、恥ずかしかったのは...。
。
「藤谷さんて、あんなに大声出す人だったんだ-!」
「めっちゃ以外!びっくりしちゃった-!」
たびたび、女子からそう言われる。
いつも、おしとやかだと思っていた藤谷美帆が、
体育祭で、あれだけ大声で応援したことは、以外だった。
もちろん、陸の時のことだ。
自分でも意外だったよ...。
けど、そんなことは今どうでもいい。
陸に、会いに行かなきゃ。
。
なんて思われても良い。
ただ、けじめをつけなきゃ。
そして、変わらなきゃ。
もう、何もかもが完璧の藤谷美帆じゃない。
最悪で、本当の 藤谷美帆 に、なるんだ。
。
...とうとう、6組の前まで来ちゃった。
昼休みだから、誰かといるかな...。
なんて思いながら、そっと教室をのぞいた。
そして、近くにいた女子の子に、陸を呼んできてくれるように頼んだ。
やばい。心臓破裂しそう。
。
陸side
「やべぇ...。」
サッカーの練習しすぎたせいか、足が痛む。
けど、もうすぐバトンが回ってくる。
バトンをもらった俺は、走り出す。
けど、足が痛い。
「あっ...。」
足の痛さのせいで、つまずいた...。
けど、負けるわけにはいかない。
だって、藤谷に、必ず1位をとるって約束したのだから。
。
俺はすぐ立ち上がって、走り出す。
けれど、足がうまく動かない。
やばい...
そんな時_
『陸ー!頑張れーッ!』
俺は、ハッとした。
走らなきゃ。
一気にパワーが出る。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
あのとき足をひねっても、全力で走ったせいか、
足を捻挫した。
けど、約束守れたし、いっか...。
。
体育祭から数日後
「やったー!昼休みだ-!」
教室中がざわめく中、一人のクラスメイトが、俺のところにやってきて言った。
「相沢君、会長呼んでるよー」
教室のドアの橋を見ると、愛おしい後姿。
俺の心臓は、破裂寸前だった。
そして、一歩一歩、彼女に近づいていく...。
陸side 完
。