最悪彼氏×最悪彼女




「美帆っ!」



隼人...?



「てめーら、何やってんだよッ...」



急に、隼人の顔が怖くなる。

こんな顔、見たこと無い...。



「ちぇッ、男持ちかよ。」



そんなことを言って、ナンパ男たちは逃げていく。



隼人は、ちらりと私のほうを見る。


「な...に?」

「お前、泣いてんの?」



!!!???



え、ちょっと待って!

私、泣いてる...?


「ちょッ...見ないでよ!」

「かーわいい」




嫌味っぽく笑う隼人。

けど、なんだかんだいって、助けてくれた。





「...ありがと。」



消え入りそうな声で、私は呟く。



「どういたしまして。」





この笑い方は、やっぱり嫌味だけど、

どこかやさしい笑み。



私は照れて赤くなった顔を、伏せる。



「行こっか。」



隼人にそう言われて、歩き出す。



そういえば、行き先聞いてないな。

けれど、どこか安心するのは、なんでだろう_?




「あ、そういえば、行き先決めてなかった。」


歩きながら、隼人にそう言われた。


「はあッ!?普通あらかじめ決めてこない?」


何て私は返しながらも、笑っていた。




「じゃあ。どこ行きたい?」

「えー。じゃあ、映画見たい!今、いいのやってるし!」








☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 



「あ、これこれ!」


そう言って指差したのは、今一番人気の、イケメン俳優が二人出ている映画。



恋愛系。



ちょっと、隼人とみるのはきついかなー...


なんて思いながらも、すっごく見たい。




「お前、この俳優好きなの?」


急にそう聞かれた。


「え?好きだけど...」

「浮気すんなよ?」


嫌味ぽく私に笑いかける。



「うわッ...!?しないってば!」


やばい。

今絶対顔赤い。







幸せすぎて、もう過去にあったアイツとのことなんて、すっかり忘れていた。




私、すっごく幸せだったよ。





この幸せを、守っていきたい。





誰にも壊されたくない_...。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「おもしろかったー!」


映画を見て満足した私は、すっかり興奮。



「めっちゃ、かっこよかった//」

つい、隼人の前で俳優の事を言ってしまった。


やば...。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「おもしろかったー!」


映画を見て満足した私は、すっかり興奮。



「めっちゃ、かっこよかった//」

つい、隼人の前で俳優の事を言ってしまった。


やば...。