最悪彼氏×最悪彼女



翌日



「美帆ー!起きなさい!」


「はぁ...い」



眠...。


今日も、学校。


やっと、前の生活に戻れそうな気がした。



「会長、好きです!付き合って下さい!」


「ごめんね...私、今は恋愛って気分じゃなくて。」



ほら。普通の、前の生活だ。


これが、私だったんだ。



このころが、本当の私だった。

自分を高値の花のように演じることこそ、『私』だった。





前と違うことと言えば、絢とアイツが付き合ったことぐらい。





アイツと絢が付き合おうと、私には関係ない。





だって、君は私と何もつながりがなかったのだから。



君との過去は、ないんだ。



数日後



in 裏庭




「俺と、付き合って下さい。」




これで、何回目だろう。


そして、私はまた、あの言葉を繰り返す。





そして、いつも通りの結果になる。







_はずだった。




「俺と、付き合わないとか、ないよね?」



急に、告ってきたやつにそう言われた。



「え...?」




よし、まだ私は冷静だ。

あいつの時は、は?って言っちゃったし。



けど、何なのコイツ?




だってこの人、見たこと無いし。


今日が初めて。




まあ、見た感じは悪くない。



身長180cmいってるのかなー?

ってくらいの高身長。



黒髪だけど、真面目君ではないし、かといって、不良でもない。


顔は、まあ、イケてる。


ちょっと切れ長の目が、かっこいい...とは思うかも?



「で、返事はどうなの?」


急に、顔を近づけてきた。


...けど、動揺しちゃいけない。



ここで、そんなことしたら、負けだ。

何と戦ってるのかもわからないけど...。




「ごめんなさい。私、今は_。」



「そういうの、通用しないから。」



急に、こいつに言葉を遮られた。



あー。もう我慢できない。


かったるい。




「ったく。何がしたいわけ?」

久しぶりにこの口調出したなー。
なんて思ってると、




「そうそう!それ!」


コイツは、なにがおかしいのか、馬鹿にしたような笑い方でそう言ってきた。



「俺、知ってんだよねー!会長の裏の顔」


『裏の顔』ってまさか...。




ま、どうせ今出しちゃったんだけど...



「4月頃だっけ?相沢君との、猫かぶり契約」



え..?


いまいち状況が理解できない。




てゆーか、『猫かぶり契約』って、


あいつとの付き合った理由だよね?




なんで、知ってるの...