「あ、陸っ!」


たまたまパンを買っていると、陸が男友達といた。



「美帆、あれ、一人?」

「ううん!えっとね、今日来た転校生の絢と一緒!」




パンを買って戻ってきた絢を私の隣に呼ぶ。



「えっと、神崎絢っていうの!外国育ちだったんだって!」



私は、何の不信感もなく絢を紹介した。







一瞬。そう。


本当に一瞬、陸の顔が曇ったことなんて気付かなかった。



そして、絢の顔も一瞬、人が変わったかのような顔をしたのにも、気づかなかった。