もう一回、陸のほうを見た。
それに気づく陸。
「行くか。」
「うん...。」
私、やっぱり世界一幸せだ。
陸、これからもずっと2人でいようね。
ずっと幸せ。
。
...だと、思っていた。
。
陸と付き合ってから、数か月。
私たちは、デートも何回もしたし、キスもした。
そして、『初めて』も、経験した。
。
季節はすっかり、秋。
そろそろ受験も頭に入れないといけない季節。
そんな時に、こんなことが起こるなんて...。
これは、最悪な私が、幸せすぎた、神様からの罰ですか?
それとも、私たちへの試練ですか?
私たちは、どうすればいいのですか?
。
HR
「転校性を紹介するぞー」
急な先生の言葉にみんながざわめく。
こんな受験シーズンに転校性なんて。
きっと誰もがそう思っただろう。
。
「入れ」
そう言われて入ってきたのは、女の子。
いや、『女の人』といったほうが正しいくらいの
超美人。
はっきり言って、私は負けるんじゃないか。
目鼻立ちは、はっきりしていて
スタイル抜群。
外国の子見たいで、カラコンしているような目に、吸い込まれるくらい。
。
男子は、『やったー!』なんて言って騒いでる。
「神崎絢(かんざきあや)です。」
そう彼女は自己紹介した。
そのあとの先生の話によると、その子は、帰国子女で、高校1年生の時から、アメリカに行っていたらしい。
どうりで、外国の雰囲気があったはずだ。
英語もペラペラなんだろうな...。
「藤谷、お前今日、神崎を校内案内してこい。」
「はーい」
やっぱり雑用は頼まれると思った...。
彼女のほうを見ると、神崎さんはにこりとほほ笑む。
そんな姿から、私はこの先を予測することができたのか_...。
。
「...で、ここが、講堂で、こっちが更衣室。」
昼休み、彼女を連れて、2人で校内を歩きまわる。
彼女_絢は、あいづちしながら、私についてくる。
さっき、ちょっと話しただけなのに、
絢って呼んで
とか
すっごいタメなのは、外国育ちのフレンドリー ってやつ?
。
一通り案内を終えて、2人で食堂でパンを買った。
「このパン、めっちゃおいしいの!!」
「え。そうなのー!?じゃあ、私もこれっ!」
すっかり、私たちは友達になった。
さすが外国育ち...。
何の違和感もない。
。