私は彼の腕の中で眠った。

安心とか幸せとかを超えた充実感を味わえた。

「沙月、寝たのか?」

「・・・・・」私にはもう彼の声は聞こえなかった。

「おやすみ。」

省也の匂いに包まれて私の眠りは深くなっていった。

「沙月の匂い、甘いな。俺の中にも染み込むだろうか。」

俺は彼女の髪に顔をうずめて目を閉じた。