と言っていた荒木さんも驚いた。

映画になるらしい。

「美莉、君の書くものは全て不純だな。少し前に流行っていた純愛ものとは逆のものだ。世の中はどう動くかわからないものだ。」

今や売れっ子ライターになった私が

元妖精モデルだったとは誰も気づくまい。

私はライターとして大成功した。

ペンネームは月村園子だ。

ファッション誌の連載で短編をヒットさせてから

ハードカバーがミリオンセラーとなり

サクセスストーリーを歩んでいた。

「美莉、連載を辞めたいって本心なのか?」

「他にやりたいことがあるんです。」

「今度は何?」

「詩を書きたくて。どうにも止まらなくなってしまって。」

「詩?つまりポエムってこと?」

「ふんわりしたものでなく、もっとハードなものです。」

「ハードね。君のストーリーは全て過激な内容ばかりだった。詩も過激なのか?」

「ストーリーと違ってもっと凝縮された過激な想いを書きたくて。ダメですか?私のわがままでしょうか?」

「いや、ダメじゃないが、突然だからびっくりした。」

事務の派遣社員だった私をモデルに育て上げた荒木さんは

いつも私を支え

私を導いてくれた。