「はい、土産」

「・・・へ?」

私の目の前まで来た雄一は、私の手を握るなり、

手のひらに、小さな箱を置いた。


突然の事に、ポカンと口を開ける。


「空港にジュエリーショップが入っててな。

それが目に入ったんだ、美緒に似合いそうだと思って」


そう言ってニコッと微笑んだ雄一。

私は瞬きを一つして、手に平に視線を落とした。


「開けてみて」

「・・・」

その言葉に、ゆっくりリボンを解く。

そして、箱の蓋を開けると、そこにはダイヤの入ったネックレスが。

私は驚き、蓋を急いで閉じると、雄一にそれを突き返した。


「こんなに高価なもの貰えません。

社長に、お礼を言ってもらっただけで十分です」


「そう、遠慮せずに貰っとけよ。

返されたところで、誰にあげられるわけでもない」


「私以外にも、あげる女性は沢山いるでしょう?!」

思わず声を荒げた。