…運転する蒼空を盗み見る。

…蒼空が私の彼氏と言う存在になってから、

すっかり蒼空に振り回されている。


…それなのに、素直に(あまり素直でもないか)

蒼空の言う事を聞いている私は、どこかお人好しなのか。


それとも、蒼空に好意を・・・

いや、違う違う!

私はその想いをかき消すかのように、首を振る。


「…相当、お疲れのようですね」

そんな不可解な私の行動を見て、蒼空は心配そうな顔。


「…そうね、疲れがたまってるのかも」

この妙な想いは、きっと疲れてるだけよ・・・そうだよね?




それ以上の会話は、車の中で交わされる事はなかった。

蒼空なりに、私に気遣ってくれての事だろう。



「…送ってくれてありがとう」

「いいえ、送る事くらいどうってことないですよ。

それより、ゆっくり休んでくださいね?」


「うん、蒼空もね・・・さっきのさ」

「・・・え??」