【蒼空side】

今この腕の中で、世界で一番愛おしい彼女がいる。

こんなに幸せな事が、他にあるだろうか?

そう思える位、僕は幸せな気持ちで一杯だった。



・・・こうできたのは、すべて社長のおかげだった。

今から約2日前、仕事中なのにもかかわらず、突然、

社長からの呼び出しを受け、社長室に向かった。


「社長、ご用件はなんでしょうか?」

そう言って社長を見つめると、社長は、複雑な顔をしていた。

仕事で何かトラブルでも?

専務代理が、何かやらかしたのか?

そんな思いで、社長の言葉を待った。


「須藤」

「・・・はい」


「今すぐ、フランスに飛べ」

「・・・は??なぜ、フランスへ?」

意味不明な僕は、ただ社長を見つめた。



「美緒が、なぜフランスへ行ったのか、その理由が分かったからだ」

「?!」

社長の言葉に目を見開く。