コツ…コツ…コツ

「ねえ繭…もう帰ろうよ」

「大丈夫だよ!ホントに澪はこわがりなんだからー」

私は怖いのが好きなのに怖がり
…矛盾している

「っ!」

「澪どうしたの?」

「う、ううん!なんでもない!」

おかしい…確かここはさっき来た場所

道も曲がったし階段ものぼったはず
なのにどうして…?


その時私は、ただ階がちがうだけで場所は同じなんだと思っていた

そこできづいていればよかったのにな…



━━1時間後━━

「そろそろ帰ろっか!でも全然怖くなかったなぁー…」
繭が残念そうに言う

「あはは、まぁホントにでるよりましじゃない??」
私は繭の手をひいて話す

少し怖いから早く行こうというアピールなのに繭はスピードを遅くする

ホントにイジワルなんだからぁー…

そのとき
「ねえ…澪、私達どこから来たんだっけ?」

「何言ってるの?あそこのドア……で、しょ…?」


私達は目を疑った

だって、本来あるはずのドアが最初から開かないかのように鎖でしめられ、南京錠がいくつもかけてある。来た時はこんなのじゃなかった


「ね、ねぇ…こ、こんなのだっけ…
場所違う…?」
私は混乱しながら言う

繭は
「ここだよ多分。ほら、外に塔が見えるでしょ?あれが目印だったから」
震えながら話す

でも、どうしてこのドアこんなにも頑丈に…
この建物には私達以外誰もいないはず





おかしい

この建物、なにかある


私達は他のドアを探すことにした