帰ってからは、らぃが

とてつもなく 優しかった。

怖いくらいに。

悲しいくらいに。

今まで どこに居たかは

聞かなかった。

いや、 聞けなかったんだ。

らぃも、親が 居ないも同然だから。

だから、 聞けなかったんだ。

寂しさが 解るから。

悲しさが 解るから。

だから、 胸の中で泣く

らぃに、 私が居るから。

としか、言えなかったんだ。


らぃの 涙の 理由さえ知らずに。