ー時宮邸ー

時宮邸の庭に出て、手を繋ぎ、歩いていた。

夕焼けが綺麗で庭にある池が夕焼けを反射して赤くなっていた。まるで、一枚の絵画の様で、以前、時宮家の霊樹だと言う桜の木の前に俺は止まると、雪奏は不思議そうな顔をしていた。

言わないとな。

「雪奏。」

「どうしたの?」そう言う雪奏の左手首にブレスレットを着けてから。
「まだちゃんと、言って無かったな。まだ条件は満たしてないし、俺は雪奏から離れるつもりはない。だから…」一呼吸おいて、雪奏を抱き締め耳元で、

「S'il vous plant se marier」

[フランス語和訳] 結婚して下さい。

雪奏は英語、フランス語が出来ると聞いていたから。雪奏の答えは分かってるが心臓がウルサイ位にバクバク言ってる…

雪奏は恥ずかしそうに小さな声で

「Est proche de beaucoup」

[和訳]ずっと側に居てね

ヤバい嬉しい♪続けて俺は、

「Grand merci」

[和訳]本当にありがとう。

そう言って、俺は雪奏を暗くなるまで抱き締め続けていた。