─────「そうか、分かった。」そう言うお父さんは難しい顔をしていた。

「冬哉さん。」

「どうした?」

「俺、戦います。雪奏を守りたいんです!お願いします!!」颯斗…

でも私は…「颯斗、嫌だよ下手したらケガだけじゃなくて死んじゃうかも知れないんだよ?時宮の人間としては間違ってるかも知れないけど颯斗だけには戦って欲しくない!」

「俺はッ!俺の大切な人を守りたいだけなんだ!!雪奏なら分かるだろ!」

「分かるよ!?分かるけど…」私は言葉が出なくなって俯いてしまった。颯斗はわたしの両肩に手を置くと、

「なぁ、雪奏、俺がそんなに死ぬような奴に見えるか?」颯斗のやさしい大好きな声。「思わないよ…けど…」言いたいことが伝わらない。

「なら、力を分けてくれないか?大丈夫だから、な?」

「…」沈黙が降りる。お父さんたちは口を出さないみたいだ。

「全部聞かせて貰ったよ時宮さん?」えっ声のした方に目を向けると澪、さくら先輩、速水先輩、長谷川先輩がいた。話しかけたのは速水先輩みたい。

「今回は時宮さんが折れた方がいいよ?男って生き物は大切な存在の為なら命だって賭ける存在なんだよ?ですよね?時宮さんのお父さん?」そうするとお父さんはあぁと言った。