話の途中惟知嘉のケータイがなった。

仕事の電話らしい。

惟知嘉が帰り際に
「またスタジオで」って言ってくれた。
それは、何よりうれしかった。


だけどそのあと待っていたのは、クラスの人間どもからの質問攻め。

正直昨日より疲れた。

なによりも篠崎と園田の質問が一番疲れた。

「おいおいおいおい、マジで桜井惟知嘉の知り合いかよ??」

篠崎が言ってきた

「まぁな」

俺も即答した

「恋実るかもね!!」

園田が言ったその言葉に俺は顔を赤く染めた。

桜井惟知嘉は、俺の初恋の相手。
去年園田に見せてもらった雑誌で一番はじめに目がいった。

本気で会いたい。そう思った。
だけどモデルなんて俺の手が届くはずない。そう思えば思うほど、俺は惟知嘉が好きになった。

学校も終わり、バイトに行った。
機材の整理をしていたら、「かーいとくん!!」って話かけてくれるのが嬉しかった。

驚いたけどね。

ってか仕事でもさん付けするなって、無理じゃね???

上の人とかに何か言われるんじゃね???

次の日俺は珍しく早起きした。
母さんに『嵐が来る』って言われた。
それ程珍しいことなのか?

喜んでいたのは駅のホームに着くまでだった。
1本の違いってすごいと思った。

たった4駅なのにすごく長く感じた。

やっと学校についた。

疲れた。

惟知嘉の声がした。

それだけのことに俺はすごくドキドキしてた。

落ち着け海斗。平常心だ!平常心!

「ちーす」

目ががっちりあってしまった。

顔赤くないかな?

「おっ!海斗はえーじゃん」

「そーかー?」

篠崎の言葉で、ボーとしてたことに気づいた。

惟知嘉・・・・。やっぱり居た!