「記憶喪失だからって…諦めないよ颯斗…」



そう、例え思い出してくれなくても…。

もし…もし颯斗に好きな人がてきたら…その時は諦められるよね…?



不意に視界が涙でボヤける。




「もう…泣かないって決めたんだけど…やっぱりダメだなぁ…あたし」




行かなきゃ…。




今から颯斗のお見舞いに行くの。


あれから毎日お花を届けにお見舞いに行ってるけど冷たくあしらわれるのが怖くて“お大事に”しか言えてない。