「颯斗…?」



呼びかけてみた。



でも次の一言を聞いてあたしは絶句した。



「……あんた…誰?」



誰?って…



「な、なに冗談言ってんのよ…」





「は?俺お前のこと知らねーけど?つか、会ったことすらなくね?」




「なんで!?あたしのこと好きって…言って…くれたのに…」



いってくれたのに…。




「俺があんたを好き?人違いじゃねーの?わるいけど出てってくんない?」



そっか…もしかして颯斗は…いや、絶対…〝記憶喪失〟なんだよ。




「…ごめんなさい…」



そう言ってあたしは部屋から飛び出した。